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「テロ対策」という名の抑圧

 朝テレビを見ていたら、今日(3/1)から海外に飛び立つ飛行機の機内持ち込み品が大きく規制されたとのこと。ジェルやクリーム状の「容器に入れないと形を保てないもの」を含む「液体」は、100ml以下の容器に入れて小ぶりのファスナー付き透明ビニール袋一つに入りきる分だけしか持ち込めなくなったのだそうだ。司会者は「薬とか常備しておかなければならないものは入りきらなくて困るだろう」みたいに文句を言っていたが、まぁ、特例で認められるものはあるらしい。しかしそれでも、処方箋を持参しないと渡航先で没収される可能性が高くなるとも報じていた。

 思ったのは、「テロ対策」の名の下に不自由を強いられる場面がだんだん多くなるんだろうな、ということだ。そしてそのうち、<安全のための不自由>というか、<マクロな自由のためのミクロな不自由>というか、そういう状況を仕方ないと受け入れて慣れていってしまえば、抵抗したり異議申し立てをする者を異端視するようになっていくだろう。「こんな不自由はおかしい」「私のプライバシーを侵すな」といった行動や感覚が抑圧されていくということだ。
 かつて空港でボディーチェックをかたくなに拒んでいた男性を見たことがある。触れようとする係員の手を必死に振り払っていた。そのときの「おとなしくチェック受ければいいのに」という自分自身の視線を思い起こす。「おとなしくしておけばコトを荒立てないで済むのに」「悪いことをしていないんなら構わないだろ」という理屈で行動や身体や思想信条への介入を認める感覚はだから、僕にもある。程度問題だが。
 「それ以上の介入は許さない」という一線はおそらく誰にでもあるのだと思うが、ミクロな不自由の経験の積み重ねによってその一線がだんだんと曖昧になるというか、徐々に後退していくというか、そういうことになりそうな気がするのである。程度問題の「程度」が変質してしまう。

 とりわけ最近の不自由は「テロ対策」のためには甘受しなければならないものとされているのだから、それに協力しないというはテロ対策に協力しないことのようでもあり、それはしたがって「テロに協力するのか」と非難されてしまいそうな態度でもある。9.11直後のブッシュ大統領による「われわれとともにあるか、テロリストの側にあるか」という二者択一、二分法的発想は今もって有効に機能しているようだ。
 実際にそれがテロ対策になるかどうかは別の議論として、「テロ対策」が世界的に強要された政策であることと、その大義名分のもとでさまざまな形で規制や監視が行われていることは事実だ。
 以下、道新のサイトからふたつ。

米CIA対テロ傍若無人 欧州で拉致続々 EU議会「違法活動」  2007/02/27 08:25
 【ロンドン26日高田昌幸】米中央情報局(CIA)が、欧州各地で市民を「テロ容疑者」として不法に拉致していた事件がイタリアやドイツで明らかになり、欧州を揺るがしている。欧州議会は、CIAが欧州に秘密収容所を設置していた疑惑に関する最終報告書をまとめ、CIAの活動を「米政府による違法活動」と厳しく批判している。
 イタリアでは、エジプト人の男性聖職者が二○○三年二月にミラノの路上で拉致されていたことが発覚。男性はドイツの米空軍基地などを経てカイロに連行され、収容所で拷問を受けた後、最近、ようやく釈放された。
 イタリアの捜査当局は事件が表面化した○五年夏以降、拉致・監禁などの容疑でCIA要員の米国人を相次いで逮捕。その後、イタリア情報機関の長官らが拉致に協力していたことも判明し、結局、CIA要員二十六人や同長官を含めて計三十五人が起訴された。
 初公判は六月に開かれることが決定。「テロとの戦い」をめぐるCIAの秘密活動が、世界で初めて刑事事件として裁かれることになった。
 また、ドイツ検察当局は一月末、レバノン系ドイツ人のハリド・マスリ氏が○三年十二月に旅行先のマケドニアで拉致された事件に関し、米国人十三人の逮捕状を取った。容疑者は米国在住のCIA要員らで、捜査ミスからテロと無関係な同氏を拘束。アフガニスタンの秘密収容所で五カ月間、拷問したとされる。
 ドイツではこのほか、同国生まれのトルコ人男性が○一年にパキスタンで拘束され、キューバのグアンタナモ米軍基地内に送られた件についても捜査が進められている。
 一方、欧州連合(EU)の欧州議会本会議は今月十四日、CIAによるEU域内での秘密活動に関する最終報告を採択し、米政府やそれに協力したEU内の各国政府を厳しく批判した。欧州議会の調査によると、○一年の米中枢同時テロ以降、欧州市民に対する不当な拉致や拘束が多数あり、このうち二十一件を精査したところ、英国やドイツなどの情報機関も関与していた疑いが浮上したという。


 国境を越えて、アメリカが他の国の人を勝手に逮捕してしまう。テロ対策で。

「テロ等謀議罪」を了承 「共謀罪」修正で自民部会  2007/02/27 10:51
 「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法などの改正案の修正作業で、自民党法務部会の「条約刑法検討に関する小委員会」(笹川尭委員長)は27日、共謀罪を「テロ等謀議罪」と変更し、対象犯罪を政府案の600以上から123−155と4、5分の1程度に絞り込んだ「修正案要綱骨子」を了承した。
 小委員会の早川忠孝事務局長は、修正案を来月中にも民主党側に示し、実務者レベルでの協議を進める考えを示した。継続審議となっている政府案の修正が狙いだが、参院選前の法案成立は困難視されている。
 小委員会では共謀罪の名称を「テロ・組織犯罪謀議罪」と改名することで大筋了承していたが、さらに短縮。対象犯罪も修正原案では116−146だったが、傷害や窃盗などを加えた。


 「共謀罪」というと印象が悪くても、「テロ対策」とすれば納得させられるだろうという思惑か。

 「テロ対策」「反テロ」の名ので実はさまざまな抵抗や異議申し立てが抑え込まれる可能性がある。撲滅の対象は必ずしも「テロ」ではないかもしれない。
 「おとなしく従うしかない」という場面が増えれば増えるほど、それこそが「テロ対策」の効果なのかもしれないということだ。
権力/自由 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

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この記事に対するコメント

道新2007年3月6日
「08年サミット 洞爺湖で最終調整/政府、来月中にも決定」との記事。

小倉利丸が以下のように警告している。

「来年はドイツ、再来年は日本。さまざまな国際会議の中でももっとも規模が大きくて、かなり厳しい警戒が予想されるこのG8閣僚会議が、2年後だということを念頭に置きながら、そこから逆算して、さまざまな新しい治安管理が起きてくるだろうと予想しておかなければならないと思います。
 『共謀罪』がそれまでに成立してしまえば、市民運動であるとか住民運動に対する、非常に深刻な影響が起きるだろうと思います。
 それだけではなくて、『テロ対策基本法』のようなものもできてくる。旗手さんの資料の『テロの定義』というところを見ると、定義ははっきりしないけれども
 
 <特定の主義主張に基づいて国家等にその受け入れなどを強要し、また社会に恐怖感を与える目的で行われる人の殺傷行為をいう>

となっています。『人の殺傷行為等』ですから、別に人を殺したり傷つけなくても適用できる。
 『主義主張によって国家等に受け入れを要求する』---G8に対して『民営化はやめろ』であるとか、『環境破壊はやめろ』であるとか、『戦争はやめろ』というようなことを要求するということ自体が、新たな『テロ行為』に分類されていくということはいくらでも考えられると思います。」
(反住基ネットサマーセッションin横浜2006 発言集より)

 拓銀、夕張に続いて「テロ対策」についても北海道が実験場になってしまうのかな、と感じてしまう。
斉藤 | 2007/03/07 10:44 AM
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