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「『笑う門には福来る』というが、病原菌も逃げていくようだ。笑いの効用は科学的に実証されていて、世界の医師がいろいろなデータを出している」と医療ジャーナリストの松井寿一さん。
笑いは、うれしさの笑い、親しさの笑い、おかしさの笑いの三つに分かれるという。学問的にはそれぞれ、愉快の快の笑い、社交場の笑い、緊張緩和の笑いだそうだ。
「どの笑いでもいい。笑うことが大事。笑うから楽しいということもあって、何の意味もなく大きな声で笑ってみると、それがおかしくて自分で笑いだすときがある」
笑いの効用の一つは、脳の活性化作用。左脳は論理的なことを考えるのに対し、笑いは情緒的なことをつかさどる右脳に入って活発化させる働きがある。
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松井さんは「笑いには免疫機能を活性化するという重要な働きもある。楽しいことを考えるだけでも効果がある」と話している。
かつてアメリカの心理学者、ウィリアム・ジェームズ(1842-1910)は、「我々は悲しいから泣くのでなく、泣くから悲しいのだ」との考えを主張した。ほとんど同じ時期に、オランダの生理学者のカール・ランゲ(1834-1900)も同じことを言い出したので、「ジェームズ=ランゲ説」とよばれている。
常識的に考えると、私たちは「悲しいから泣く」し、「うれしいから笑う」。しかし彼らは逆の主張をした。人の感情が生まれるためには、まず内臓や筋肉のわずかな収縮が起こることが必要だと考えたのだ。そしてその変化が脳で知覚されて、それが感情を生む力となる。「泣く」という筋肉の運動や内臓での微細な変化が「悲しい」という感情を生み出す源となっているというわけだ。
この記事に対するコメント
「笑顔処方します/「笑い療法士」第1号に49人 道内からも/効能‥前向きさで病吹き飛ぶ」
笑いで病を吹き飛ばせと、医師らでつくる研究会「癒しの環境研究会」(代表世話人・高柳和江日本医大助教授=医療管理学)が「笑い療法士」認定制度をスタートさせた。療法士は医療や福祉の現場などで、「治癒力を高める」とされる笑いを広げる。このほど、札幌在住の大広まゆこさん(24)ら全国49人の認定第一号が誕生した。
同研究会は医師や看護師、芸術家らが1994年に結成。「患者の側に立った、いやしを感じさせる医療」を目指し、さまざまな提言や研究をしてきた。中でも重視するのが「笑い」の効能。「治りたい」という前向きな気持ちをもたらすという。会員の医師らが「笑い処方せん」を患者に配り、「一日に五回笑って、五回感動」を呼びかけてきた。
笑い療法士第一号は、医師や看護師らのほか、会社員や特養ホーム職員、主婦、教員などさまざま。約150人の応募者から書類選考を経て、患者の心理や医療の基礎知識に関する二日間の講義を修了した人が認定された。今回は三級(有効期間三年)に認定し、今後の活動により二級、一級へと昇格する。
大広さんは、道内の病院経営大手のカレスグループの統括本部(札幌)に勤務。直接、医療に携わってはいないが、得意の音楽を生かし、老健施設でピアノ演奏会を開いたこともある。大広さんは「患者やお年寄りのみなさんに『ほっ』と、ほほ笑んでもらえれば」と、訪問演奏を積極的に行う考えだ。
「笑いと健康学会」設立--発起人に桂三枝さんら
笑いが健康に与える影響について科学的に研究するため、医学者や心理学者、落語家らによる「笑いと健康学会」が16日、設立されました。同日、東京都内で発起人大会が開かれました。
笑いの効用について体系的に解明するのが狙い。7月に第一回の学術総会を開き、学術誌の発行なども検討しています。発起人には漫才協会会長の内海桂子さんや上方落語協会会長の桂三枝さん、吉本興業社長の吉野伊佐男さんらが名を連ねています。
笑いと健康については、ストレスの解消や糖尿病の改善、免疫力の向上などの効果があるとされます。
しかし、どのようなメカニズムで改善効果が表れるのかははっきりしていないといいます。
学会会長に就任した帝京平成大学の澤田隆治教授(メディア文化)は「学会の設立で、笑いが具体的に健康にどういいのか実証する第一歩になれば」と話しています。
西洋では「笑いは副作用のない最良の薬」と言われているそうだ。国際科学振興財団(茨城県つくば市)が最近まとめた実験結果は、それを裏付けているようで、興味深い▼実験は糖尿病患者23人と健常者15人を対象に行った。昼食後に一日目は医学教育用ビデオを、二日目は吉本興業所属の「ザ・ぼんち」の漫才を見てもらい、食事から二時間後の血糖値を食前と比較した▼食後は通常、誰でも血糖値は上がるが、糖尿病患者の場合は医学ビデオより漫才の後の方が上昇が少なかった。健常者は漫才後は食前より減少した。笑えば食後の血糖値上昇が抑えられるという結果である▼前にも同様の実験をした同財団の村上和雄理事は、楽しい気分が血糖降下遺伝子を目覚めさせ、全身の生理状態を変えたと推測する(「生命のバカ力」講談社+α新書)。科学的には完全に立証されていないが、笑いは脳卒中などの予防に有効だともいわれる▼面白いことに、自然の大笑いだけでなく、作り笑いや思い出し笑いでも効果があるらしい。人前でニヤニヤするわけにもいかないが、いつも仏頂面では体に良くないということだろう。最近の世相を見ていると、そうなりがちだが▼大阪府は今年、落語家らの協力で、笑いを誘う話術を府立病院の看護師に学んでもらうという。患者への効果を期待しての特訓が成果を上げるかどうか、楽しみだ。
笑いの効能を紹介/文教学院大 大島准教授が講演/道政経懇
北海道政経懇話会(代表幹事・菊池育夫北海道新聞社長)の十月例会が23日、札幌市内のホテルで開かれた。東京の文京学院大学准教授(社会言語学)の大島希巳江さんが「笑いの効用--明るいコミュニケーション」と題して講演し、人間関係を円満にする笑顔やユーモアの効能を説いた。
大島さんは、哺乳類だけがストレスを感じる動物であり、なかでも笑うという行為・感情が人間特有であることを指摘。「ほかの動物は、逃げるか攻撃することでストレスに対処するが、人間は笑う能力をもっと活用しなくては」と訴えた。
さらに、ウサギの着ぐるみを着て当事者を仰天させて落ち着かせる米国の警察の事例や、日本の落語を英訳し世界で公演する自身の取り組みなどを紹介。割りばしを使った笑顔作りの実践などで会場を沸かせながら、「笑顔は敵をつくらない。職場や生活にもっと笑いを取り入れ、平和的環境がつくられれば」と笑いの有効活用を勧めた。