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対米従属としての郵政民営化

『PUBLICITY』No.1202(2005/08/11)が小泉首相の郵政民営化政策について、「アメリカの要望」と「利権再配分」という二つの軸から語られなければならないとして次のように言う。
小泉首相が貫いた自己愛の「美学」や「決断」よりも、はるか
に太くて力強い線が、この国には、少なくとも二つ、脈打って
いる。その線のうえに、当の小泉首相自身も乗っている、とい
うこと。

「アメリカ通商代表部」と「利権の再分配」との関係。いわば
「売国奴の情理」の追及・そのルポルタージュ。

この点をマスメディアが正確に描写しない限り、「小泉解散」
の本義は矮小化される。「郵政解散」でもなく「自民分裂解散
」でもなく、「亡国解散」になる。

「パフォーマンスの格好よさ」に目を奪われるのでなく、「自民党はどうなるんだろう」と問題を矮小化するのでもなく、一連の動きの背後にある構造に目を向けなきゃいけないという提言。
上げられた二つのうち、「アメリカの要望」つまり「アメリカの利益」という面についてここで確認しておこうと思う。

小林興起氏がニュース番組の中で何度か「アメリカのいいなりになって‥」という発言をしていた。
そのときには「そうそう」という思いで聞き、視聴者もそのことに目を向けるであろうなどと楽観めいた気分でいたけれども、その詳細と証拠が提示されない限り聞き流されているかもしれない。もしかしたら陰謀論めいたものとして受け取られて悪い印象を与えたりさえしているかもしれない。

『PUBLICITY』はネット上に堂々と公開されている“証拠”のありかを教えてくれている。
<日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書> 2004年10月14日
というのがそれだ。

ここでは、『AERA』2005年4月18日号の石川雅彦「アメリカンスタンダード広める年次改革要望書---郵政民営化の次は医療改革」という記事からの抜粋を示そう。(太字は引用者)
 米国を研究する関岡英之氏から、ひとつの文書の存在を聞いたのは、2月の終わりのことだった。
 「まるで予言書なんですよ。10年後、日本がどう変わるかが書いてあるのも同然なんです
 「日米規制改革及び競争政策イニシアチブ」(US-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)
 日米が、両国に存在する構造的な貿易障壁を是正するために交換している「お願い文」で、実質的に1994年から形式や名前を微妙に変化させながら現在まで続いている。日本では略して「年次改革要望書」と呼ばれる。
     [‥]
 (最近USTR(米通商代表部)を辞めたとい人との対話--引用者)
 「日米間で毎年交換している年次改革要望書とは、USTRのなかではどんな評価なんですか」
 「あれは、二国間交渉のひとつの理想型でしょう。文書に掲載することで、日本が米国の意向をくみ取り、国内調整をして貿易障壁を取り除いてくれるんですから
 要望書で近年いちばんページが割かれてきたのが、まさにいま自民党内でバトルが繰り広げられている郵政民営化だ。
 初めて要望書に登場したのは、96年。すでにこんな文言がある。
 「郵政省のような政府機関が、民間保険会社と直接競合する保険業務に携わることを禁止する」
 「政府系企業への外国保険会社の参入が公正、透明、非差別的、かつ競争的な環境の下で行えるようにする」
 以来、米国側は毎年、要望書だけでなく、さまざまなチャンネルを使って日本政府に働きかけた。
 まず、約400社が加盟する米国生命保険協会(ACLI)が動く。幹部らが要所要所で来日し、官庁だけでなく政治家に「ドアノッキング」(陳情)する。英国やカナダの保険業界と共同で、「完全民営化」を求める声明を出す。在日米国企業は、米国の親会社を通じUSTRに働きかける。
 USTRはACLIやACCJと歩調を合わせ、大臣まで動員する。04年10月の日米財務相会談では、スノー米財務長官が、「簡保と民間生命保険会社の競争条件を同一にするように」と発言した。特定分野が財務相会談で取り上げられるのは、異例のことだ。
     [‥]
 要望書が登場して10年。その間米国側が取り上げたもので、その後日本で法改正や制度改正が行われた主なものは、
●持ち株会社解禁(97年)
●NTT分離・分割(97年)
●金融監督庁設置(97年)
●時価会計(00年)
●大規模小売店舗法の廃止(00年)
●確定拠出年金制度(01年)
●法科大学院(04年)
     [‥]
 もちろん、米国の意向だけが理由ではないだろうが、過去の要望項目を見て感じるのは、米国側は「日本の消費者のため」と言いながら、結果的に実現した際には、米国企業のビジネスチャンスが増える、ということだ。
 日本の近未来の予言書になる可能性が高い04年10月発表の年次改革要望書には、細かく見ると合計500件近い「要望」が盛り込まれている。基本的な考えは、(1)携帯・固定電話(2)インターネット事業(3)電力(4)天然ガス(5)薬(6)医療機器(7)年金(8)郵便(9)保険(10)弁護士(11)流通(12)航空(13)教育(14)農業といった分野への外国企業の参入だ。
     [‥]
 膨大な要求のなかで、米国の次の大きなターゲットが混合診療と株式会社の病院経営参入である。米国大使館、ACLI、ACCJ、日本の外務省もすべて、「郵政の次は医療」と口をそろえる。
 混合診療とは、医療保険の適用になる診療(保険診療)と、認められない診療(保険外診療)を組み合わせた診察で、現在の保険制度では原則禁止とされている。株式会社の病院経営への新規参入も、現在は医療法が原則として禁止しているが、規制改革・民間開放推進会議でその是非をめぐって議論されている最中だ。
 医療を市場原理に委ね、株式会社制度を正式に導入している唯一の国がアメリカだ。米国側の要望が通れば、外資系の病院が誕生し、混合診療では「言い値で商売ができる巨大な自由市場」が生まれるだろう。

「対米従属だからけしからん」とか「アメリカのいいなりになるな」という<国家と国家>の強弱関係そのものではなく、「民営化=善」というような市場原理万能主義の蔓延によって<人と人>の強弱関係が強化されることを危惧する。

それが人々の生活の豊かさをもたらすとは思えないから。
労働者としても、消費者としても。
特定の人の豊かさには寄与するだろうが。
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